『キャプテンの責務』 (A CAPTAIN'S DUTY)


原作のある映画は観てから原作を読むか

原作を読んでから映画を観るか

迷うところですが

私は原作を読んでから映画を観るのがいいと思っています

この『キャプテンの責務』は原作が面白かったので

トム・ハンクス主演の映画にも期待していましたが

見事に期待ははずれました

でも

海賊が貨物船を追跡する様子と乗り込み方や

貨物船のボートへの放水などは映像によってはっきり理解できました

原作は

2009年にソマリア沖でシージャックされた貨物船の

フィリップス船長自らが書いた記録です

彼が船長として単身人質になり救命艇に乗り込んだとき

『思わず笑みがこぼれた。私は船長としての責務を果たしたのだ。

あとはもう自分が助かることだけを考えればいい。それはつまり、

チャンスと見れば、多少の危険は冒せるということだ。

なにより古い本能―生存本能―が一気に息づいた。』

と書いています

貨物船の船長として身を挺して乗組員の安全を確保したのちに

彼自身が助かる方法を考えているのです

これはできそうでできないことです

何年か前のイタリア沖の豪華客船座礁事故や

去年の韓国のフェリー転覆事故では

船長が真っ先に逃げたのですから・・・

カトリックであるフィリップス船長は救命艇の中でこう祈っています

「主よ、チャンスを見つけ、そのチャンスをつかむ強さと忍耐力をお与えください。

チャンスはおそらく一度きりでしょう。そのたった一度のチャンスを見逃さない

知恵をお授けください」

また

彼のアメリカの自宅では妻のアンドレアと

友人や家族、無神論者さえが神父と輪になって神に祈っていたのです

その妻に貨物船の乗組員であるシェーンからメールが届きました

「〈マースク・アラバマ〉号の一等航海士、シェーン・マーフィです。ご主人に関する

最新情報をお伝えします。元気ですが、まだ捕えられたままです。でも、ご主人はきっと

やつらを出し抜きます。ご主人がどれほど強い人なのか、私はよく知ってるんです。

意志の強さは私が今まで一緒に航海したどの船長も適いません。ほんとうです。

ご主人はこの船の19名の乗組員全員の命の恩人です。全員、今でも息が

吸えているのはすべてご主人のおかげです。・・略」

こんなメールを読めばきっと夫を誇りに思ったことでしょう

フィリップ船長は救命艇からの脱走に失敗し

いよいよ覚悟を決めたときに家族ひとりひとりを思い祈ったのです

愛犬のことも忘れていません

そして

救助されてから「あの経験で、あなたは変わりましたか?」と訊かれ

「神を信じる気持ちは強くなった。それは間違いない。といっても、

私は神と契約を交わすような男ではない。また神に、生涯教会に通い続けます

から、どうかあの救命艇から出してください、などとも祈らなかった。

そんなのは公正な取引ではない。しかし、力をくださいとは祈った。

知恵をくださいとも。結果は求めなかった。ただ、必要なときに

もっとも強い自分になれる力を求めた。」

と答えました

海軍特殊部隊にも感謝しつづけるだろうとも書いています

原作に書かれているこういう信仰的な箇所は映画にはありませんでした

クリスチャンとしては残念でなりません

神に頼る弱い男が実は強いというパラドックスが描かれず

トム・ハンクス演じる船長は最初から最後までヒーローでした

しかし

この映画が公開されたあと船長は

同じ貨物船に乗っていた信心深いクリスチャンである機関長に

「船長の無謀さゆえに海賊が出没する海域に入ってしまった」と非難されています

さらに

乗組員11人が船会社と船長を相手に訴訟を起こしています

それぞれの思惑があるでしょうが

神だけが真実をご存知です



真のキャプテンの責務を果たしたのはイエスおひとりだけです

地球という船に乗るすべてのひとのために死んでくださったのです!

しかも

よみがえられて弟子たちに現われ天に昇られました

そして

また来られるのです!!!



わたしは、よい牧者です。よい牧者は羊のためにいのちを捨てます。
ヨハネ10:11


コメント